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日付
2026/08/15
主題
LK12 ボールねじサポートユニット選定ガイド:低背型固定側ユニットの軸受・仕様・納期を徹底解説
内容

LK12は、SYK(嵩陽工業)が提供する低背型の固定側ボールねじサポートユニットです。7001A P5級精密軸受を内蔵し、DF背面組合せで組み付けたうえで予圧調整を行うことにより、アキシアル方向のすきまゼロを実現しています。C3~C10精度等級のボールねじに対応します。

LK12の用途は明確です。装置内の取付高さが制限される一方で、位置決め剛性を維持しなければならない場合に、取付高さのある標準固定側サポートユニットに代わって使用します。

本記事では、LK12の軸受、予圧、起動トルク、表面処理、納期について詳しく解説します。発注前に、LK12がお客様の用途に適合するかをご確認いただけます。

LK12を選定する際に重要なのは、軸径12 mmという数字だけではありません。「低背構造 × DF予圧軸受 × アキシアルすきまゼロ」という3つの特長が、装置のスペース、剛性、清浄度の要求に合っているかが重要です。

SYK(嵩陽工業)は1989年の創業以来、ボールねじサポートユニット、ロックナット、モーターブラケットなどの駆動系周辺部品を専門に製造しています。単一工場による一貫生産体制を構築しており、標準品の納期は1~3営業日、最低発注数量の制限はありません。

省スペースでもストロークを維持:低背型固定側サポートユニットが解決する課題

低背型固定側サポートユニットが解決するのは、装置内部の「取付高さ」に関する問題です。装置の全高が制限されていても、ボールねじのストロークやアキシアル荷重への対応能力を妥協できない場合、限られたスペースに収まる低背型のサポートユニットが必要になります。

LK12の本体寸法は、全高Hが38 mm、幅Bが70 mmです。低背型設計のため、半導体製造装置、医療検査装置、卓上型自動化装置など、内部スペースが限られた精密機構に適しています。

自動化装置の小型化・薄型化が進むにつれ、Z軸とベースプレートの間に確保できる端部支持スペースは、わずか数ミリに限られる場合があります。BKシリーズのような従来の標準固定側サポートユニットは取付高さが比較的大きいため、薄型機構では周辺部品と干渉する可能性があります。

低背型は、本体を水平方向に広げ、ボールねじ中心から取付底面までの高さを低くした設計です。これにより、ボールねじの仕様を変更することなく、駆動機構全体をより薄い装置構造に組み込むことができます。

つまり、低背型を選ぶ目的は材料を削減することではありません。定められた機械的エンベロープの中で、必要なストロークと剛性を確保することが本来の目的です。装置の小型化が進むほど、この特長は重要になります。

固定側の選定ミスが生む、見えないコストとは?

固定側サポートユニットを誤って選定した場合、代表的な隠れたコストとして、位置決め精度のドリフト、クリーンルーム内での腐食、手直しによる納期遅延が挙げられます。これらのリスクは、部品単価には表れません。

固定側は、ボールねじに作用する主なアキシアル荷重を受け持ちます。予圧が不足していたり、アキシアルすきまが適切に管理されていなかったりすると、往復運転を繰り返す間に位置決め精度が徐々にずれる可能性があります。その結果、加工寸法が安定せず、歩留まりの低下につながります。

最初の落とし穴は、アキシアルすきまです。アンギュラ玉軸受に予圧が与えられず、アキシアルすきまが除去されていない場合、ボールねじの正転・逆転が切り替わる際にバックラッシが発生します。双方向の位置決め再現性が求められる用途では、重大な精度不良の原因になります。

LK12は、出荷前に軸受の予圧調整を行い、アキシアル方向のすきまをゼロにしています。位置決め精度を不安定にする要因を、あらかじめ取り除くためです。

2つ目の落とし穴は、表面処理の選定ミスです。クリーンルームや高湿度環境で一般的な黒染め処理品を使用すると、長期間の使用によってさびや微粒子の脱落が発生し、清浄環境を汚染する可能性があります。

反対に、一般的な工場環境で高価なめっき仕様を採用すると、不要なコスト増加につながります。

3つ目は、組立段階になってから仕様の不適合が判明するケースです。部材の変更、再発注、設計変更が必要になると、工程が数日単位で遅れる可能性があります。

価格を比較するだけでなく、選定段階でアキシアルすきま、表面処理、寸法仕様を確認しておくことが、設備停止や手直しによる損失を防ぐ有効な方法です。

LK12の仕様はどう読む?軸受・予圧・起動トルクの確認ポイント

LK12の仕様を確認する際は、まず次の3項目に注目します。

  • 軸受型番:7001A
  • 精度等級:P5
  • 最大起動トルク:210 gf-cm

この3項目は、サポートユニットの剛性基準と回転抵抗を左右します。また、使用するボールねじの精度等級にLK12が適合するかを判断する最初の基準でもあります。

LK12は、30°の接触角を持つアンギュラ玉軸受をDF背面組合せで配置し、予圧調整によってアキシアルすきまゼロを実現しています。ボールねじの固定側支持に適した構造です。

固定側サポートユニットにおいて、軸受は中核となる部品です。LK12の標準仕様には7001A P5級精密軸受が採用されています。C5~C10精度に対応する仕様では、軸受精度がP0級に変更され、その違いは注文型式の末尾記号に反映されます。

DF背面組合せでは、2個のアンギュラ玉軸受の荷重作用線が外側へ広がります。正逆両方向のアキシアル荷重を受けることができるため、ボールねじの固定側に適した軸受配置です。

その他の主な仕様は次のとおりです。

  • 軸径d1:12 mm
  • ロックナット緩み止めねじ:2-M4
  • 本体質量:約0.43 kg
  • 対応ボールねじ精度:C3~C10

SYKでは、軸受ハウジング本体、押さえ板、間座、オイルシール、ロックナットの製造から予圧組立までを同一工場内で行っています。

これにより、すべてのLK12が、測定、予圧調整、シール組付けを完了した安定品質の製品として出荷されます。

LK12の注文型式はどう見る?末尾記号の意味を解説

LK12の注文型式では、末尾記号によって「表面処理」と「対応するボールねじ精度」の2項目を区別します。このルールを理解すれば、型式の発注ミスを防ぐことができます。

基本型式のLK12は黒染め処理で、C3~C10精度のボールねじに対応し、P5級軸受を採用しています。

末尾に _N が付く型式は無電解ニッケルめっき仕様です。_C5 または _C3 が付く型式は、それぞれ対応するボールねじ精度と軸受精度等級が異なります。

具体的な型式は次のとおりです。

注文型式 表面処理 対応ボールねじ精度 軸受精度等級
LK12 黒染め C3~C10 P5
LK12_C5 黒染め C5~C10 P0
LK12_C3 黒染め C3 P5
LK12_N 無電解ニッケルめっき C3~C10 P5
LK12_C5N 無電解ニッケルめっき C5~C10 P0
LK12_C3N 無電解ニッケルめっき C3 P5

次のように覚えると分かりやすくなります。

  • 末尾に N がある:無電解ニッケルめっき仕様。クリーン環境や耐食性が必要な用途向け。
  • 末尾に C5 または C3 がある:対応するボールねじ精度と軸受精度等級を示す。

発注時に「一般環境かクリーンルーム環境か」と「ボールねじの精度等級」を明確にすれば、適切な注文型式を選定できます。

型式を判断できない場合は、使用環境とボールねじ仕様をSYKへ提示してください。メーカーが適切な型式を提案するため、末尾記号の指定ミスによる軸受等級の不一致を防止できます。

納期と品質の安定性が「製造元」に左右される理由

納期と品質の安定性が製造体制に左右される理由は、一貫生産工場であれば、軸受ハウジングの加工、予圧組立、表面処理、オイルシールの組付けまでを同じ管理体制の下で実施できるためです。複数の外注先から部品が納入されるのを待つ必要がありません。

SYKは1989年の創業以来、単一工場による一貫生産体制を採用しています。標準品の納期は1~3営業日、特注品は5~7営業日で、最低発注数量の制限もありません。

この生産体制は、調達担当者と設計・開発担当者に3つのメリットをもたらします。

1つ目は、納期を管理しやすいことです。在庫品は即時出荷に対応し、それ以外の標準品も多くの場合、3営業日以内に準備できます。急な補充が必要になった場合でも、生産ライン全体の停止リスクを抑えられます。

2つ目は、品質の安定性です。すべての工程を同一工場内で行うため、各ロットの予圧量、アキシアルすきま、シール組付け基準を同じ工程で管理できます。ロット間の品質差を抑えることにつながります。

3つ目は、検証情報を確認できることです。SYKでは、サポートユニットに対して推力試験、塩水噴霧試験、寿命試験、アキシアル方向往復試験などを実施しています。

製品仕様書と2D/3D CADデータもダウンロードできるため、設計段階で取付位置の確認や技術計算を行えます。

測定、予圧調整、シール組付けまでを一貫した生産体制で管理することが、LK12の短納期とロット間の品質安定性を両立できる根本的な理由です。

LK08/LK10/LK12/LK15の選び方は?表面処理はどう決める?

LKシリーズを選定する際は、最初に軸径を合わせ、次に起動トルクと本体寸法を確認します。表面処理を選ぶのは、その後です。

LKシリーズにはLK08、LK10、LK12、LK15の4種類があり、8~15 mmの軸径に対応します。すべてC3~C10精度のボールねじに使用できます。

一般に、軸径が大きくなるほど、負荷容量と本体寸法が大きくなり、最大起動トルクも高くなります。

型式 軸径d1(mm) 軸受型番 最大起動トルク(gf-cm) 本体B×H(mm) 緩み止めねじ 質量(kg) 対応ボールねじ
LK08 8 708A P5 90 62 × 31 M3 0.28 C3~C10
LK10 10 7000A P5 190 70 × 38 M3 0.44 C3~C10
LK12 12 7001A P5 210 70 × 38 M4 0.43 C3~C10
LK15 15 7002A P5 230 80 × 42 M4 0.53 C3~C10

選定手順は明確です。まず、サポートユニットの軸径をボールねじ固定側軸端の直径に合わせます。次に、装置の機械的エンベロープ内に該当するB×H寸法が収まるかを確認します。

LK10とLK12は、本体寸法がいずれも70 × 38 mmで、外形が似ています。ただし、軸径、緩み止めねじ、軸受型番が異なります。LK10はM3、LK12はM4です。

ボールねじ固定側の軸端径が12 mmの場合はLK12を選定してください。LK10を無理に流用することはできません。

表面処理は使用環境によって決定します。

  • 一般的な工場環境:コストを抑えられる黒染め仕様
  • クリーンルーム、高湿度環境、耐食性が必要な用途:無電解ニッケルめっき仕様

基本原則は、「使用環境で表面処理を決め、ボールねじ精度で型式末尾の数字を決める」ことです。この2つを分けて判断すれば、型式の選定ミスを防ぎやすくなります。

よくあるご質問(FAQ)

Q1:LK12の納期はどのくらいですか?最低発注数量はありますか?

LK12は標準品です。在庫品は即時出荷が可能で、それ以外の標準仕様も多くの場合、3営業日以内に準備できます。

SYKの標準品納期は1~3営業日、特注品は5~7営業日です。最低発注数量の制限はなく、1個または小ロットからでも注文できます。

Q2:LK12にはどの軸受が使われていますか?精度等級はどのくらいですか?

LK12の標準仕様には7001A P5級精密軸受が採用されています。DF背面組合せのアンギュラ玉軸受で、接触角は60°です。

出荷前に予圧調整を行い、アキシアルすきまゼロを実現しています。最大起動トルクは210 gf-cmです。C5~C10精度対応仕様を注文する場合は、P0級軸受が使用されます。

Q3:黒染めと無電解ニッケルめっきは、どのように選べばよいですか?

一般的な工場環境では、コストを抑えられ、幅広い用途に対応する黒染め仕様を選びます。

クリーンルーム、高湿度環境、耐食性が求められる用途では、型式末尾に N が付く無電解ニッケルめっき仕様を選びます。表面処理は価格だけでなく、実際の使用環境に基づいて決定してください。

Q4:LK12は、どの精度等級のボールねじに対応しますか?

LK12はC3~C10精度等級のボールねじに対応します。

一般的なC3~C10対応仕様はP5級軸受、C5~C10対応仕様はP0級軸受を使用し、型式末尾に _C5 が付きます。C3精度専用仕様の型式末尾は _C3 です。

Q5:2D/3D CADデータをダウンロードできますか?ボールねじ軸端加工にも対応できますか?

はい。SYKでは、LK12のカタログおよび2D/3D CADデータを提供しています。設計者は、設計段階で取付位置や干渉の有無を確認できます。

ボールねじの軸端加工についても、仕様に応じて対応可能です。加工内容および対応範囲については、SYKへ直接お問い合わせください。

Q6:LK12は固定側ですが、どの支持側ユニットと組み合わせればよいですか?

LK12は低背型の固定側サポートユニットです。低背型の支持側であるLF/LFAシリーズと組み合わせて使用します。

固定側はアキシアル荷重を受け持ち、支持側はボールねじの熱膨張による軸方向の伸びを許容します。

組合せを選定する際は、ボールねじ両端の軸端寸法を一致させる必要があります。ボールねじの仕様をSYKへ提示し、固定側と支持側を含む一式の選定提案を受けることをおすすめします。

SYK(嵩陽工業)へのお問い合わせ

LK12の仕様書、2D/3D CADデータをご希望の場合、または納期や固定側・支持側の組合せを確認したい場合は、SYK(嵩陽工業)までお問い合わせください。

ボールねじの軸径、精度等級、使用環境をお知らせいただければ、用途に適した型式と納期をご案内します。